2023年2月14日 19:00
中島裕翔、中堅の自覚芽生えたからこそ“ガムシャラ” 熊切和嘉監督「徹底的に汚したい」
利用したというか。衣装も汚れが目立つものをみなさんで考えてましたよね。
――現実に感じたキツさをお芝居に転換していたんですね。
中島:精神的にきついシーンなんかは、カットとカットの間、いちいち外に出ないようにと心がけていました。最初にマンホールのセットの絵を見せていただいたときは僕も「広いじゃん!」と思ったんですよ。でも実際には狭くて寒くて、いろいろな汚しからくる臭いもありました。そういったことを、受け入れ過ぎず、拒みすぎず、川村として、素材として使えればと思っていました。自分としては逆にそういったものがあったほうが楽ですね。
嘘をつかなくていいから。
○■もっとこうできるんじゃないかと何かが生まれる瞬間がすごく好き
――監督はほかに中島さんのどんなところが印象的でしたか?
熊切:カットをかけられない瞬間が何度もありました。みんなのスイッチが入るといいますか。ミニジブ(小型クレーン)を使って動けたので、段取り上はここまでだったんだけど、みんながセッションのようになって、結局、ワンシーンの最後まで行っちゃうといったことがよくありましたね。
中島:ここまでと言ってたけど、カットがかからないなとなったとき、まず監督の思いを感じ、「このまま行きますよ」