2017年4月22日 11:00
映画『3月のライオン』は原作をどう立体化したのか? それぞれの視点 (6) 「前編」派? 「後編」派? それぞれ独立した作品に - 大友啓史監督
棋士・桐山零の孤独というところから、ちょっとずつ成長していって新人王を取る。次の目的を見つけて、「もしかしたら僕は、この先も棋士として生きていかなければいけないんじゃないか」というところで終わる。
――では、後編は。
後編は、桐山零の闘いだけでなく、実はそれぞれのキャラクターも闘っているんだということが現れてきます。零と出会った人たちも、彼と同じように苦しんだり悩んだり、それぞれの範囲で闘っている。周りの人たちも含めた「闘いと自立」の物語だということは意識しましたね。
新人王をとった零に明るい風が吹き始めていて、将棋の天賦の才というか運命というか、神様から与えられた才能を捕まえる瞬間を、捉える。でも才能というのは、僕らもそうかもしれないけど、果たしてそのことだけに打ち込んできて現れるものなのか、わからないですよね。
強くなるためには、色々な研究がいるかもしれない。将棋だけではなく、人の気持ちや心の動きを知ることが必要で、周りの人の思いといった違うものを背負うことで、実は強くなっているかもしれない。――前後編観た人とは、前編と後編どっち派?と話題になりました。
それはスタッフ間でもありました(笑)。