2023年8月22日 11:00
「SNSを規制すべき」は「言論弾圧」につながるのか? ryuchellさんをめぐる現象から弁護士が解説
●「正当な批判・意見」と「名誉毀損罪・侮辱罪」の線引きは
先月、ryuchellさんの自死が報じられた。直接的な原因であるかは定かではないものの、再びSNSでの誹謗中傷が注目され、政治家たちから規制強化や「逮捕すべき」の声が上がっている。だが、政治家が規制に意欲を示すことに「言論統制」「言論弾圧につながる」といった懸念の声もある。
繰り返される誹謗中傷による悲劇には、歯止めをかけなければならない。だが、それは本当に「言論統制」「言論弾圧」につながるのか。「表現の自由」とは法的にどこまでを指すのか。また週刊誌やネットニュースなども、これら悲劇に加担していないのか。
2020年5月に亡くなった木村花さんの母・木村響子さんらとともに、SNS上の誹謗中傷問題等に取り組み、侮辱罪の厳罰化(刑法の法改正)にも尽力した、レイ法律事務所の山本健太弁護士に見解を聞いた。
○■明治時代に作られた侮辱罪がネット時代に合わせて厳罰化
まだ記憶に新しいryuchellさんの自死。これに伴い、SNS上でryuchellさんへ「死ね」などの誹謗中傷をしていたアカウントが次々と自らアカウントを消していき、「逃亡」