マクドナルド誕生の裏を暴いた『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』は"創業者"争いが痛快な人間ドラマの秀作
再起を賭けるも泣かず飛ばずで、妻との仲もいいとは言い難い。ところがある日、ミキサー8台のオーダーが突如として入る。好奇心旺盛なレイは発注者元に勝手に向かうが、そこにはディック&マック兄弟が経営するハンバーガー店<マクドナルド>があり、長い行列ができていた。
初めは行列にうんざりした表情を浮かべるレイだったが、どうも回転が異様に速いことに気づく。一方、ドライブインで最低のサービスで食事をすることに慣れていたレイは、注文して30秒で美味しいバーガーが(しかも正確に)出てくることに腰を抜かしてしまい、その裏側には厨房で超合理的な流れ作業のシステムがあることを知る。すっかりディック&マック兄弟のアイデアと経営理念に心酔したレイは、2人をすぐさまディナーに誘って親交を深めることに成功。やがてコスト削減・高品質という<マクドナルド>のスタイルにビジネスの勝機を見出したレイは、壮大なフランチャイズビジネスを思いつくが……。
このレイは、要するに<マクドナルド>とはまったく関係ないものの、ディック&マック兄弟に取り入ってビジネスパートナーとなり、次々とフランチャイズ化を成功させて、我れ創業者=ファウンダーなりという顔をしていく男だ。