くらし情報『慶応大など、原因不明の「長島型掌蹠角化症」の原因遺伝子変異を究明』

2013年10月25日 16:47

慶応大など、原因不明の「長島型掌蹠角化症」の原因遺伝子変異を究明

研究チームはこの3人の解析結果を受け、さらに10人の患者のゲノムDNAを通常のシーケンス方法で解析を行った。すると、10人全員がSERPINB7の変異のホモ接合体または複合ヘテロ接合体だったのである。以上より、この病気がSERPINB7の遺伝子変異により発症することが明らかにされたというわけだ。

日本では、皮膚科を掌蹠角化症で受診する患者の多くが長島型掌蹠角化症であることから、同疾患は日本人に多い病気であることが予想されていた。そこで、見つかったSERPINB7の変異を「1000人ゲノムプロジェクト」(さまざまな人種の人々、計1092人よりゲノムDNAが採取されてエクソーム解析が行われたプロジェクトで、その研究結果はインターネット上で公開されている)のデータで検索してみたところ、「c.796C<T」という変異を持つ「保因者」が、日本人89人の内2人、中国人197人の内6人に見つかった。

これらの結果から、長島型掌蹠角化症はアジア人に多い遺伝病で、日本では1万人当たりに1人以上(すなわち日本人全体で1万人以上)、中国では1万人当たり3人以上(すなわち中国人全体で数10万人)の患者がいると考えられるという。

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