2014年5月16日 07:00
東京団地ミステリー (1) 神様はどけられない~都営白鬚東アパート
都市の防火壁。だから長い。すごいよね。ぼくも知ったときはびっくりした。
地図で見ると分かるが、このびっくり団地は隅田川沿いに建っていて、土手側には公園になっている。この東白髭公園は10万人(!)を避難させることが出来る防災公園で、付近が大火災になった際にはここに住民を収容し、都営白鬚東アパートが体を張って火の手を防ぐという寸法だ。「体を張って」というのは比喩じゃなくて、この団地はいざというときにはトランスフォームして一枚の壁になるのだ!
○なんでこんなすごいものができたのか?
この団地が完成したのは1979年。「都営」の名の通り東京都作。
東京都心の中でも、隅田川と荒川に挟まれたいわゆる「江東デルタ地帯」とよばれるエリアは、1964年の新潟地震を教訓とすると、災害時の被害的に都内で最もやばいことになるんじゃないかとされた。そこでこのエリア内のうち
・白鬚(東地区・西地区)
・四つ木
・亀戸・大島・小松川
・木場
・両国
・中央(猿江地区、墨田地区)
の6つの地区を防災拠点として、重点的に対策をしていこう、と当時の都ががんばった。具体策としてはまず木造の建築物をできるだけ不燃構造物に置き換えていく、というものだ。