ホリプロ・堀社長が魔法にかかった! 作り手集合『メリー・ポピンズ』の魅力
○キャストがなかなか決まらない苦労
――今回の公演にたどり着くのに大変だったのはどのような点だったのですか?
……キャストオーディションの結論が出ない(笑)。劇場はおさえてしまっているし、今更「やれない」と言えないですし、発表も遅くなりました。いざ稽古に進めばプロばかりですから心配していないんですけど、大変だったのはキャメロン・マッキントッシュの求めるキャストがなかなか決まらない。それに尽きます。
――バート役の柿澤勇人さんも不安になりながらオーディションに臨んでいたとおっしゃってました。
逆に言うと、「"もう中学生"さんをミュージカルに」なんて発想は、僕らにはありませんでしたから(笑)。異分子ですよね。また日本の感覚ですと、だいたいWキャストは似た雰囲気の人を選ぶものですが、そういう発想がなく、全く違う2人を選ぶんです。
――でも、そこまでの時間をかけて選ばれたキャストには、大満足ということですよね。
それは間違いないはずです。歌と踊りに関して、特にタップダンスに関しての要求はものすごく高いものでした。ダンサーとして活躍する大貫(勇輔)も今までタップをそんなにやっていたわけじゃないので、ずいぶん前から練習をしていました。