くらし情報『「LGI1」と「ADAM22受容体」の結合は脳の安定な興奮状態の維持必要 - NIPS』

「LGI1」と「ADAM22受容体」の結合は脳の安定な興奮状態の維持必要 - NIPS

しかし、自己抗体と標的タンパク質の「自己抗原」の全容がいまだに不明であり、診断が困難な疾患だ。

今回の研究では、国内の145名の辺縁系脳炎を含む自己免疫性神経疾患の患者血清の網羅的な解析が行われ、既知の自己抗体に加え、別の6種類のタンパク質に対する新規自己抗体が発見された(画像1)。さらに、各患者血清中のこれら自己抗体価の体系的な測定が行われた結果、であるLGI1に対する自己抗体価と辺縁系脳炎発症との間に極めて高い相関があることが見出されたのである(画像2)。

LGI1はその変異がある種の「遺伝性側頭葉てんかん」を引き起こすことから研究者の注目を集めている。研究チームのこれまでの研究により、LGI1が「ADAM22受容体」を介してシナプス伝達を制御すること、そしてLGI1欠損マウスではシナプス伝達異常により、生後2~3週間で致死性てんかんを必発することは確認されていた。

一方、ごく最近になって、海外の研究者らが辺縁系脳炎患者血清中に、抗LGI1自己抗体が存在することを報告。しかし、LGI1自己抗体がほかのさまざまな自己抗体と比較してどれほど強く自己免疫性辺縁系脳炎の発症と関連するのか、そしてLGI1自己抗体がどのようにして痙攣発作や記憶障害といった臨床症状を引き起こすかは不明だったのである。

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