くらし情報『「LGI1」と「ADAM22受容体」の結合は脳の安定な興奮状態の維持必要 - NIPS』

「LGI1」と「ADAM22受容体」の結合は脳の安定な興奮状態の維持必要 - NIPS

そうした状況において今回の研究では、国内における自己免疫性神経疾患患者の血清の網羅的な解析が行われ、LGI1自己抗体を高値かつ単独で有するほぼすべての患者が辺縁系脳炎と診断されていたことが見出された。さらに、LGI1自己抗体がLGI1とその受容体であるADAM22との結合を阻害することにより、脳内の興奮性シナプス伝達の大部分を担うAMPA受容体機能を低下させることを突き止めた(画像4)。

なお画像4は、LGI1自己抗体はLGI1とADAM22/23との結合を阻害することを表した模式図だ。通常、LGI1はシナプス間隙でADAM22、ADAM23と結合し、AMPA型グルタミン酸受容体を精緻にコントロールしている。一方、LGI1の機能が自己抗体により後天的に阻害されると、シナプスにおけるAMPA型グルタミン酸受容体機能が低下し、無秩序なシナプス伝達が生じてしまう。つまり、LGI1自己抗体によるAMPA受容体機能制御が破綻した結果、痙攣発作を伴うてんかん病態や記憶障害が生じてしまうことが推測されたというわけだ。

今回の研究により、LGI1とADAM22の結合はヒトの脳が安定な興奮状態を維持するのに必要不可欠なシステムであることが判明した。

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