塚本晋也が初の時代劇を監督「鉄と人との関わりには変わりがない」1本の刀に込めた思いとは?
あとは『BULLET BALLET バレット・バレエ』も気に入っています。「弾丸がバレエをする」という意味なんですが、UとAだけが違っていて、ちょっとフランス語風の響きでね。第2候補は「弾丸ダンス」だったんですが(笑)。
――なるほど(笑)。そのタイトルからは、また違った作品が生まれそうですね。塚本作品といえば石川忠さんによる音楽も欠かせませんが、『斬、』の音楽は石川さんが亡くなられた後に、監督が自ら石川さんの過去の素材のなかから選んで編集されたそうですね。
そうですね。石川さんが亡くなられたのがあまりに突然だったので、正直気持ちの収拾がつかないところもあったのですが、『斬、』の仕上げの期間、石川さんと長い対話が出来たような気がしています。
これまで僕の映画に使用した石川さんの曲はもちろん、未発表の音源も石川さんの奥様からいただいて全部聴かせてもらったので、鎮魂的な意味あいの時間にもなりました。
――本作では池松壮亮さんが主演を務められていますが、キャスティングのきっかけは?
僕の中ではまさに池松さんありきで考えていたのですが、ビックリするようなタイミングで池松さんの事務所からお声がけいただいて、「これは何かの思し召しだ」