映像業界で日本と世界をつなげる架け橋に――“クリエイトベース”の雨無麻友子Pが感じる構造的問題と期待
その背景には、これまではドメスティックな力、日本市場だけで良しとしていた業界にも問題がある。重松氏はそこに課題を抱き、ドメスティックな考えに陥っていない雨無Pに目をつけた経緯もある。
フジテレビ編成時代に月9ブームを起こし、「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」の実行委員長も務めた重村一氏は、14年前の第19回JAMCOオンライン国際シンポジウムで、日本のドラマの海外進出が進んでいない問題の本質を「欧米をはじめとして放送局と制作プロダクションは分離されているケースが主流の放送制作体制にあって、日本は50数年の歴史で、テレビ局が制作と放送を一元化して行う体制が維持されてきた。(中略)もし、制作プロダクションが著作権や番組販売に関する権利を自分の意に沿う形で所有していれば、海外への番組販売や、海外との共同制作などは、現状以上に促進されていたのかもしれない」と語っていた。
これについて「g」の重松氏は「一元化しているのに、実際の制作は制作会社が行っているのが問題」と現状を付け加え、「なのに権利はテレビ局が保持している。ゆえに制作した人に権利が渡らず、それを持って海外進出できなかった。