くらし情報『映像業界で日本と世界をつなげる架け橋に――“クリエイトベース”の雨無麻友子Pが感じる構造的問題と期待』

映像業界で日本と世界をつなげる架け橋に――“クリエイトベース”の雨無麻友子Pが感じる構造的問題と期待

その結果、ストーリーや演出が弱体化し、魅力的な作品が生まれにくい。

また、資金配分に関しても委員会は作品の制作資金を出資するが、その資金の大部分が制作費以外(プロモーション費用や管理費など)に割かれることが多い。制作現場には十分な資金が行き渡らない状況が続いている。

制作費がなければ、そもそも作品は作れない。この解決案として、「g」の重松氏は「例えば、権利の100%でなく、80%を委員会側に。残り20%の権利をクリエイターにという形にしていく」という案を出す。現状では出資者が権利を保持しているため、海外市場での展開や共同制作がスムーズに進まない。海外配給やプロモーションの戦略が不明瞭なまま進められ、チャンスを逃しているケースが多いのではないか、という考えからだ。


●海外視野のプロデューサーが少なすぎる
海外市場開拓が遅れている要因について、雨無Pは「海外とコネクションを持ち、映画祭の企画マーケットへの参加、海外PRをつけることを考えるプロデューサーが日本には少なすぎる」とも分析する。

どういう映画祭を周り、どんな企画マーケットで、どんな形で、海外で興行をするか。海外の助成金を使う、海外のスタッフを呼ぶ、資金を海外から引っ張る、配給する劇場を増やす――そうした思考の出発点を持つ人が少ない。

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