会社員が「怒られたくないよー!」と保身に走ると、転落人生に
ところがそんなカネがあるわけもなく、懇意にしていた人々に「博報堂の未公開株を買うことができる」とウソをささやくのである。
未公開株は、上場時に10倍になるのはザラということもあるもので、懇意にしていた彼らの欲に付け込んだ著者は自分の貯金・300万円と合わせ960万円を振り込むことに成功。
だが、そこから図にのった著者は、不倫による豪遊、借金返済のための闇金からの融資などを経て借金を膨れ上げてしまう。
しかも、借金返済のアテにしていた博報堂の株価は2005年の上場時、原資の4倍程度にしかならなかった……。
というのがストーリーの骨子。
特筆すべきは、「博報堂が上場するのは知ってるよな。
オレだったらお前らのために買ってあげられるよ。
ついては今カネを出せ」という方便に20人もの人々が引っ掛かってしまったということである。
まぁ~、未公開株の話ほどうさんくさいものはない。
それはいくら博報堂のような知名度のある会社であろうとも同様のはずなのだ。
単なる一社員が「未公開株を買える」と言う点を疑わなくてはいけないのに、人間というものはカネが絡むともはや正常な判断ができなくなるものなのかもしれない。