会社員が「怒られたくないよー!」と保身に走ると、転落人生に
もともとは「怒られたくないよう!」という臆病(おくびょう)な社畜精神から大事な人を次々とだまし、挙げ句のはてには家族からも見捨てられ、不倫相手からも借金をしては「手切れ金だ!」とばかりに返済不要と言われる、まさにダメ男を絵に描いたような著者なのだが、個々の判断箇所では「こりゃマズい」という感覚はあったようである。
人間の判断というものは少しでも「これはマズい」と思った場合、それは往々にして正しい。
その一方、「こりゃうまくいく!もうかる!」ということは誤りであることだらけ。
エリート(笑)が転落していく様を見てメシウマ状態(他人の不幸でメシがうまい!と思う状態)になることを楽しむ本かと思いきや、実は『あなたの「こりゃマズい!」という判断は正しい!』(飛鳥新社)といった自己啓発書としても通用する本でもあった。
また、「全編山場」のような本なので、読書中の気持ちの高揚感が途切れることなく一気に読める点も高ポイントである。
で、私も博報堂出身で、著者とは同時期に同社にいたが(面識はない)、彼と同様に社員持ち株会に入っていた。
2000年ごろから毎月3万円ずつ積み立て、未公開株を51万円分持っていたが、その株はどうなったか?2001年3月、退職の時に人事から「払った額で買い取る」と言われ、結局何ももうからなかったのですな、ガハハ!【拡大画像を含む完全版はこちら】