奥様はコマガール (39) のんびり屋の妻と驚異的な着物騒動
早いもので結婚式が終わって2カ月以上が経過した1月の下旬になっても、寝室はいまだに足の踏み場がない状態だ。
さすがに我慢の限界が近づいてきた。
いくら行動がスローペースとはいえ、これは限度を超えている。
だいたい、業者に集荷を依頼するだけじゃないか。
何事も丁寧にやる性格ということが、ここまで遅い理由にはならないだろう。
電話1本じゃないか。
僕はチーが憤慨するのを承知で、再び急かすことにした。
「いいかげん、着物を何とかしろよ! 集荷を依頼するだけだろ! 」。
すると、チーは案の定、膨れっ面になり、「集荷を依頼するのも簡単じゃないのよ! 」と逆ギレ。
「業者の人が家に来る時間とわたしの在宅時間を合わせないといけないから、スケジュールの都合が色々あるのよ! 」。
なんだそれ――。呆れて物も言えない。
スケジュールが合わないといっても、いくらなんでも2カ月以上も合わなかったわけではないだろう。
怠慢の言い訳じゃないのか?その後、2月に入っても状況は変わらなかった。
そのころになると、寝室の床に転がっている我が家の家宝の上で、愛犬のポンポン丸が優雅にくつろいでいるという、なんとも罰当たりな光景を目にする機会も増えた。