2012年5月17日 11:47
岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (12) ”ディーラー的”な「ユーロ」に対する見方とは? - 危機の再燃は当然だった!!
市場がそれに気が付いたのが早い人で1月下旬、遅い人で4月ということです。
LTROが見直される過程でユーロは買われ上昇しました。
12月8日の時点でLTROの第一回目は2011年12月21日、第二回目は2012年2月29日と発表がされていました。
第3回目の予定は未定で、そもそも実施されるかどうかもわかりません。
ということは第二回目のLTROが行われる前後までは、市場は欧州債務危機に対して一安心とみてユーロを買い戻しするだろうが、それが一巡すればまたユーロ危機は再燃し、ユーロも下落するという時間軸の予想が立てられます。
というのも、金融経済システムの崩壊を防ぐという点ではLTROは確かに効果がありますが、これでユーロの債務問題が全て解決したわけではないからです。
市場は2月29日以降も、つまり再度欧州債務問題の再燃に向けて気を引き締めなければならない時期でも、しばらく楽観視が続いていました。
したがって、今回のようなフランス、ギリシャの選挙結果などを受けると、市場参加者は再度悲観に大きく傾くことになり、通貨ユーロも急激に売られやすくなっていると考えられます。
さて、今後のことですが、先述の通り相場は一直線に動くものではありません。