2012年5月17日 11:47
岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (12) ”ディーラー的”な「ユーロ」に対する見方とは? - 危機の再燃は当然だった!!
による3年物の資金供給オペ、通称LTROが功を奏して通貨ユーロの買い戻しが優勢となるが、事態は収束と悲観を繰り返しながら危機そのものは長丁場になる、というポイントでした。
そして、欧州危機に関してはもう2年近くも放置されたままです。
ユーロの原則であるマーストリヒト条約に則ればギリシャをユーロから切り離すのが妥当という点にも触れました。
原則を無視しているのですから、ギリシャの債務負担を、そしてギリシャだけでなく、他の欧州域内で財政が悪化している国の負担を、欧州全体で抱え込むことになります。
となれば、欧州全体でみれば債務問題が波及し経済・財政状況が悪化することはあっても、改善の方向は見出しにくくなります。
そうした観点からすると、長期的にユーロは下落する方向と見ざるを得ません。
しかし、たとえ進む方向が明らかだとしても、どのような相場でも一直線に下落するわけではないのです。
市場で取引されている為替レートは上下動を繰り返しながら、ある程度の時間をかけて下落するものです。
一般の解説や分析では登場することはないかと思いますが、この『時間軸』の概念を頭において置かないと、ディーラーとしては「相場の方向は当てられたのに、実際の取引では損失をだしてしまった」