2012年5月27日 08:45
読む鉄道、観る鉄道 (9) 『サブウェイ・パニック』 - 1970年代のニューヨークと地下鉄の情景を描く
1974年に公開された同作品は乗り物パニック映画の傑作だ。
同時期にはロサンゼルスを舞台にした『大地震』、ビル火災を扱った『タワーリング・インフェルノ』、航空機の遭難を描く『エアポート’75』などがあり、パニック映画ブームだったといえる。
『サブウェイ・パニック』は、都市の生活者にとって身近な地下鉄が舞台であり、実際にニューヨークの地下鉄でロケが行われただけあって、観客を驚かせただろう。
ちなみに2009年公開の『サブウェイ123激突』はこの作品のリメイク版である。
舞台は冬の午後のニューヨーク。
新米車掌が先輩車掌から指導を受けている。
その列車に風邪気味の男(マーティン・バルサム)が乗り込んできた。
辺りを見回し、運転席のそばの席に陣取った。
前方が見える窓では男の子の兄弟がはしゃぐ。
日本もアメリカも、乗り物好きの子供の行動は同じだ。
次の51丁目駅で、帽子、コート、黒縁メガネの男が乗り込む。
風邪気味の男と同じようないでたち。
その1人(ロバート・ショウ)がホームから運転台に近づき、運転士にピストルを見せた。
列車ジャックが始まった。
ニューヨーク地下鉄公安局勤務のガーバー(ウォルター・マッソー)