2012年5月27日 08:45
読む鉄道、観る鉄道 (9) 『サブウェイ・パニック』 - 1970年代のニューヨークと地下鉄の情景を描く
ただし、その前に作られたTV版リメイク『サブウェイ・パニック 1:23PM』はカナダ・トロントの地下鉄だったそうだ。
なお、邦題は3作とも異なるものの、原題はすべて『The Taking of Pelham One Two Three』である。
実物でのロケだけに、ニューヨークの地下鉄風景が垣間見られて面白い。
冒頭の部分ではホームに自転車を押して歩く若者がいて、「ニューヨーク地下鉄は自転車持込みOKなんだな」と思うし、「地下鉄は右側通行だな」「第3軌条式の古い電車だから、一瞬だけ車内が暗くなるな」とか、司令室の路線パネルを見て「複々線があるんだ」などと、鉄道ファンの知識欲も大いに満たされる。
ハイジャックされた「ペラム123」は、ニューヨーク地下鉄6号線の列車だ。
6号線はニューヨーク市北部の「ペラム・ベイパーク」とニューヨーク市の中心マンハッタンの市庁舎を結ぶ路線だ。
所要時間は60分。
事件が起きる28丁目駅はペラムから数えて31番目の駅で、ダウンタウンのパークアベニューにある。
ここで乗っ取られた列車は少し走って停車し、先頭車両を切り離す。
犯人たちが乗っ取る列車はこの1両のみで、後部車両の乗客たちは解放される。