2012年5月27日 08:45
読む鉄道、観る鉄道 (9) 『サブウェイ・パニック』 - 1970年代のニューヨークと地下鉄の情景を描く
は、日本から来た見学客に手を焼いていた。
そんなとき、6号線の電車「ペラム123」の不穏な動きを知らされる。
列車ジャックだ。
犯人はニューヨーク市に100万ドルを要求する。
期限は1時間。
その知らせは支持率低下に悩むニューヨーク市長に届けられる。
彼もまた、犯人の1人と同様、風邪でダウンしていた。
一方、犯人グループのうち1人は地下鉄の運転士経験者と判明。
ガーバーは、咳き込む犯人を気遣いながら交渉を続ける。
しかし交渉のさなか、管制職員と新米車掌は殺されてしまう。
緊迫する状況下、ガーバーや他の警察官たちがいる地上と、犯人グループの地下の状況が互いに見えない。
犯人はどこから脱出するのか……。
パニック映画では実際の地名が登場しても、ロケ地を変えたり会社名を変えたりする。
これは舞台となる会社の評判に配慮したり、模倣犯を防ぐためだ。
だがこの作品では、原作小説の通り、実際のニューヨーク地下鉄でロケが行われた。交渉は難航し、多額の保険もかけられたというが、ニューヨーク地下鉄は英断だった。
映画エンターテイメントに理解のある国・都市ならではのことだろう。
2009年のリメイク作品『サブウェイ123激突』も、ニューヨーク地下鉄で撮影された。