2012年5月31日 20:42
肺がん罹患率を急上昇させる「COPD」という脅威~その現状と対策とは?
治療していない患者の多さがあげられる。
これは、COPDの主な症状が「せき、たん、息切れ」などのため、単なるかぜと片付けられたり、ごくありふれた症状で見過ごされがちなため、疾患発見の遅れにつながっているからだ。
厚生労働省の専門委員会がまとめた「健康日本21」では、2022年度までに、COPDの認知率を現状の17%から80%まで引き上げることを目標としている。
また、COPDは肺がんをはじめ、さまざまな併存・合併疾患の誘発リスクがあるという。
COPD患者は、患者でない人に比べて5倍も肺がんに罹患しやすいことがわかっているとのこと。
軽症であっても肺がん罹患率は高く、若年齢でも無視すべきで疾患ではない。
さらに、COPDと肺がんが併存しているケースでは、肺がんのみの患者の7倍も死亡率が高くなるそうだ。
特に「長期の喫煙暦がある人は、COPDを疑うことが重要です」と永井先生。
現実的に見て、日本におけるCOPD患者の9割は喫煙者であることからも、肺がんの罹患・死亡リスク軽減のためには、COPDの主原因である喫煙をやめるための治療・啓蒙活動などの取り組みが重要となる。さらには、「いかにCOPDを早期発見・治療するか」