2012年5月31日 20:42
肺がん罹患率を急上昇させる「COPD」という脅威~その現状と対策とは?
といった医療システムづくりも大きなカギを握っているといえる。
現在の肺がん検診は簡易なこともあって、受診率は比較的高いものの、発見率はきわめて低い。
この問題に対し、東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器外科教授の関根康雄氏は、主因のひとつに胸部レントゲンの精度の低さがあるとした上で、それを補うことが可能な、問診票のCOPDを示唆する質問項目があるにもかかわらず、有効活用されていない点を指摘する。
こうした現状に対し、関根氏は、「肺がん検診の問診票を利用したCOPDスクリーニングによる患者発見の新たな仕組みづくり」への取り組み例として、「千葉モデル」を紹介。
これは、千葉市医師会、千葉市、ちば県民保健予防財団が共同で立ち上げた「千葉COPD肺癌スクリーニング研究会」による、「全国初の体系的なCOPD患者抽出とフォローアップシステム」である。
具体的には、千葉市における住民・企業の肺がん検診において、COPD患者発見に適した形の検診表を作成。
年齢や喫煙暦、呼吸器の症状など、4つの問診項目すべてにあてはまる人については、CTなどの精密検査を行うことで、COPD患者の絞込みを行うというものだ。