2012年6月5日 08:06
「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (11) 直販長期投資ファンド設立の夢が、”あと一歩”のところで瓦解…完膚なき敗北
私はこれからこの会社が取り組む、直販スタイルの投信ビジネスにおける既存金融業界のそれとの明確なコントラスト、さらには目指すべき目標と社会的意義まで、とにかく理解していただこうと必死に説明しました。
そして何より、この事業のコンセプトが決して儲けるためではなく、生活者の必要とする将来の資産形成を支える社会的ニーズに資する目的であることを、しっかりと納得していただきたかったのです。
ところが不安は杞憂ではありませんでした。
毎日張り詰めた問答が続きました。
最初は私たちに歩み寄ろう、という雰囲気がありましたが、だんだんと双方のベクトルの違いが顕わになって来るのが誰の目にも明らかになってきました。
そんな中で、金融庁から認可申請書を提出していい、との連絡が入りました。
いよいよ仮認可が受けられたのです。
申請書を提出したら、だいたい1カ月以内に正式な認可がおりるのです。
本来ならみんなで飛び上がって喜ぶべき朗報でしたが、新社長との合意が得られぬ状況下では逆に困惑が深まることになりました。とりあえず当局には申請書提出を暫し待っていただくことをお願いしました。
やがて新社長に「話し合いはこれまでだ。