岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (14) CIAの誘いを断った”最後のサムライ”の渾身の書 - 『國破れてマッカーサー』
の方に、沢山のことを教えてもらいました。
時にそれは耳を塞ぎたくなるような真実だったりしたわけですが、「この世界で生き残りたいなら現実を、そして真実を直視しろ」、そう教えてもらったような気がしています。
相場で勝つためには日本発の日本経済への偏った見方を変えなければならいこと、日本の一般の経済分析が変調をきたしているのは、大もとを辿れば実は日本の置かれた歴史的背景にあるということ、相場の動きを見ながら折に触れさまざまなことを教示してくれたものです。
中でも印象的だったのは「日本は米国の戦利品」「勇猛果敢な日本を無力化することこそが米国の目的」さらには「イラク占領の指針となっているのは日本占領」などなど、いささか過激な内容のものでした。
しかしながら、この歴史的背景の部分を理解していないと、変動相場制以降徐々にドル高に進んだ後になぜ急激なドル安に見舞われるのか、日本政府が為替介入と称して国民の資産を使い、減価するのが明らかな米ドルをなぜ大量に購入するのか、その根本的な理由がわからない―。
西先生も、外銀での同僚も反米・親米どちらでもありません。
私自身も米国で生活をした実体験があるだけに一般の米国民に対しては親愛の情を持っていますし、過去に遡るほど為替介入の実績などを封印している我が国に比べれば、機密書類の全面公開に踏み切る米国の懐の深さ、公平さには敬意を表しています。