岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (14) CIAの誘いを断った”最後のサムライ”の渾身の書 - 『國破れてマッカーサー』
「とはいえ、米国の公式見解で日本の無力化などが出てくるものだろうか」、という当時の私の疑念を見事に払しょくしてくれたのが「國破れてマッカーサー」であったわけです。
少しだけ内容を紹介すると、例えば、戦争終結のためにはいたしかたなかったとされる原爆投下について。
日本政府は蚊帳の外のまま、日本再軍備の必要性を説く国防省(ペンタゴン)と反論するマッカーサー、1950年の日本のGNP3兆9,470億円のうち1/3を占めた朝鮮戦争特需。占領行政の中で優先されたのは日本の教育制度の再建ですが、その教育制度を占領遂行の「道具」と言い切る電報の存在など、次々飛び出す事実には誰もが驚き、その延長線上に今の日本があることにあらためて気が付くはずです。
こうした内容は好むと好まざるとにかかわらず広く世に知られる必要があると思いますし、今の日本を包む閉塞感が何に起因しているのか、その手掛かりにもなるでしょう。
相場取引でも、国の進む道でも、我々が的確な判断を下さなければならない状況に直面した際に、真実の直視は非常に重要な指針になると思われます。
最後に打ち明け話を少々。
無条件降伏ならぬ「無条件民主化」