2012年7月23日 08:21
読む鉄道、観る鉄道 (13) 『カサンドラ・クロス』 - 細菌兵器に感染したヨーロッパ国際特急の運命
『カサンドラ・クロス』は1976年に公開された作品。
東西冷戦、第2次世界大戦の傷跡、アメリカの陰謀などさまざまな要素を織り込んだ重厚な物語だ。
登場する列車はジュネーブ発ストックホルム行の大陸縦断超特急だ。
映像風景で当時の列車旅の雰囲気に浸れるけれど、鉄道ファンならではのツッコミどころも満載である。
スイス・ジュネーブの国際保健機構に3人の過激派ゲリラが侵入。
しかし警備員に見つかり1名は射殺され、1名は身柄を確保される。
残ったひとりは窓を破って逃亡。
しかし、彼は米国が極秘に開発していた細菌兵器を浴びてしまう。
事態を知った当局は、逃亡者がストックホルム行の国際列車に乗ったと知り、対策を立てる。
アメリカ陸軍のマッケンジー大佐(バート・ランカスター)は、列車の行先を変更し、ポーランドのヤノフへ向かわせる。
なにしろ極秘開発した細菌だ。
ゲリラと、その接触者を全員隔離する必要があった。
しかしその途中には、1948年に廃線となった「カサンドラ・クロス」と呼ばれる大鉄橋があった。
老朽化した鉄骨の橋で、ホーランド鉄道当局は点検を実施しているというのだが……。