”資源と中国に依存”のイメージは本当? オーストラリア経済の意外な事実とは?
だが、一般的なイメージからすれば、それほど高い数字ではないというのが筆者の印象だ。
一方、オーストラリアと伝統的に結びつきか強い日本への輸出の割合は、2000年-01年の19.7%から2010年-11年には19.1%となっており、中国より若干少ないものの、依然として存在感を示している。
さらに注目すべきは、韓国やインドへの輸出も着実に増えていることだ。
韓国は7.7%から9.2%に、インドは1.7%から6.4%に増加。
着実に、中国以外の経済が好調な国への輸出も増やしている。
そうした点からすると、ホールダウェイ公使が言うように、オーストラリアは、「全ての卵(=輸出)を一つのかご(=中国)に入れているわけではない」(同氏)のが現実で、中国への過度の依存はせず、産業構造と同様、輸出先も分散・多様化しているというのが実際の姿のようなのだ。
さらに意外なのは、一般的な日本人には知られていないと思われる、オーストラリア経済の好調さだ。
いわずと知れた2008年のリーマン・ショック。
これにより欧米をはじめとする先進国の経済は大打撃を受け、財政出動や金融緩和で応急処置を施したものの、その際の無理な財政出動などが影響し、現在は財政危機に見舞われるなど、好調とは程遠い状況だ。