馬刺しだけでは終わらない! 本場熊本で馬肉料理のオンパレード
九州のほぼ真ん中に位置し、熊本城や雄大な阿蘇など見どころもいっぱいの熊本県。
この土地の代表的なグルメといえば、まず思い浮かぶのが馬刺しだろう。
ピンクがかった肉色から「桜肉」とも呼ばれ、口の中でとろける脂の甘みはたまらない。
しかし、ここで疑問が。
地元の人は刺し身ばかり食べているのだろうか?他の料理法はないのだろうか?地元の人気店に探りをいれることにした。
お目当てのレストランに向かう前に、まずは熊本県内の肉屋とスーパーをのぞいてみた。
すると、豚肉や牛肉と並んで馬肉も売られているではないか。
肉屋さんに話を聞くと、家庭でも晩酌を楽しみたい時や人が集まる時などに、魚の刺し身の横に馬刺しが並ぶのは当たり前だという。
また、飲食店のメニューにも当然のごとく馬刺しがあり、桜鍋と呼ばれる鍋料理や焼き肉を提供する専門店も多いそうだ。
しかし、なぜこれほどまでに、熊本では馬肉がもてはやされているのか。
馬肉人気が定着した理由については諸説ある。
とりわけ広く知られているのは、いまなお県民に愛されている初代熊本藩主・加藤清正の説だろう。
16世紀の文禄・慶長の役で食料が底をついた清正軍が、やむを得ず戦で傷ついた馬を食したことがきっかけとなり、その後、熊本で薬膳料理として広まったというものだ。