経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (24) ”成長”し続けなければならない苦しみとは? 山田玲司氏『資本主義卒業試験』
の真っ只中にあると思うのです。
今を生きる若い人たちは、この「巻きこまれの時代」のなかで、戸惑い苦しんでいる。
その根幹にある「資本主義」の構造や実態を、自分なりの表現で、多くの人たちに伝えたいという思いから、本書が生まれました。
鈴木 : 山田さんご自身は、その「巻きこまれ」の渦中にいたことはあるのでしょうか?山田 : 実際、私も貧乏漫画家として苦しんだ頃がありました(笑)。
漫画家としての仕事の面だけでなく、恋愛の世界でも葛藤した時期もありました。
そういった自分のなかに存在する部分や、友人のエピソードなどを投影させたのが、物語に登場するキャラクターたちです。
鈴木 : 登場人物たちが個性豊かですよね。
まさに「資本主義」社会に生きる象徴的な存在と言えるかもしれません。
最初に登場する主人公は35歳の漫画家さんですね。鈴木 : 物語は、この35歳の漫画家・山賀玲介が取材したことのある有名大学の教授を訪ねる場面から展開していきますね。
その教授が学生に出した「資本主義卒業試験Q・行きづまった現代の資本主義社会は、どういう形でつぎの社会へと卒業できるのか?」の答えをもらいに…。