)南アフリカでは、今年12月の与党ANC(アフリカ民族会議)の党大会において、2014年の大統領選挙の前哨戦とされる党首選挙が行なわれます。
足元でストが拡大したのは、こうしたタイミングと関係しているとの見方もあり、少なくとも、同党大会までは、同国に関する話題がこうした扇情的なニュースに引き続き集中する可能性があります。
また、これまでのところ、南アフリカ・ランドの軟調の主な背景はストであるとみられているものの、ストの広がりや長期化が、経常赤字など、同国の抱える構造問題に投資家が改めて注目するきっかけとなる可能性も否定できません。
こうしたことから、警戒は怠れないものの、賃金交渉の妥結や、ストの沈静化などの報道も増えつつあり、党大会の終わる年末までには、事態が落ち着く可能性も考えられます。
また、南アフリカの国債が、世界の国債市場の指標として広く利用されている指数である「シティグループ世界国債インデックス(WGBI)」に9月末から組み込まれたことは、ポジティブな材料と考えられます。これに伴ない、従来よりも多くの投資家が同国債に注目するとみられ、同国への資金流入を支える可能性があります。