今後についても、シリアから新たに大きな脅威が及ばない限り、トルコ側が本格的な武力行使にでる可能性は極めて低いと考えられます。
また、トルコの軍事力を熟知しているシリアのアサド大統領が、トルコと衝突するようなリスクを自ら起こす可能性も、現時点では非常に低いとみられます。
(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
)なお、ファンダメンタルズ面では、過熱気味だったトルコの景気が軟着陸への軌道を進んでいることなどに伴ない、経常赤字が減少(改善)傾向となっています。
11日に発表された8月単月の経常赤字は、貿易赤字の減少と観光収入の増加などを背景に、前月比約▲71%の12億米ドルとなりました。
これにより、12ヵ月累計ベースの経常赤字は10ヵ月連続の減少(改善)となり、対GDP比では7%台後半と、1月の約10%と比べてかなりの改善となっています。
さらに、直接投資の純流入が続き、同国に惹き付けられる海外資金の拡大が示唆されていることもあり、格付会社がトルコの格付けの見直しを検討している模様です。なかでも、トルコに対する格付けをBB+としているフィッチは、年内に結論を出す意向を10日に明らかにしています。