岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (22) 「円安・株高」は本当に”あの発言”が原因か!?--今こそ、冷静な経済分析を
参考までに今回解散を言い出した前後から原稿を書いている今日現在(11月23日)のドル円レートの推移と出来事をあげておきます。
この実質10日間でドル円の為替レートは3円以上円安に進みました。
もっとも動きが大きかったのは衆議院が実際に解散となった16日までです(終値ベースで1円89銭)。
それに対して、無制限量的緩和の発言があった15日から4日間の終値ベースでは、実は52銭しか円安に振れていません。
小動きと称されるような状況です。
つまり、無制限量的緩和発言よりも、突如解散を首相が言いだして解散までわずか数日という事態の方に市場も反応したと言えるでしょう。
さらに週末の時点で建設国債の日銀による引き受けに触れたことで各方面から「財政法の禁じ手」と批判が続出。
非常に単純な話、法律問題として取り上げる以前に、金融機関の国債購入意欲が旺盛な現状で、わざわざ建設国債を直接日銀に引き受けてもらう必要性は全くありません。
したがって、発言の真意はどこにあるのかと不思議に思っていたところ、買いオペ(通常行われている資金調整の方法)と直接引き受けとをメディアが混同していると、報道に対して軌道修正を求めているようです。