豊島逸夫の「ゴールド」事始めガイド(1)--今後の金価格はどうなる?
そうなるとECBも、FRBと日銀のあとを追ってユーロもばらまく、とこういう構図が展開しそうなのです。
そうすると、2013年、ドル、ユーロ、そして円、この3つの主要通貨がいずれも”ばらまき”ということになります。
お札がEUと日本とアメリカでばらまかれて、金の生産量は相変わらず増えませんという状況では、下がるほうがおかしいわけなのです。
ただし、短期で見た金価格の動向についていうと私は若干弱気です。
なぜかというと、QE3が実施されたのが9月ですから、マーケットの材料としては陳腐化してしまっています。
マーケットというのは、必ずしも経済論理とか理屈だけでは動きません。
QE3というだけで毎日、「はい、昨日のニューヨーク相場はQE3でまた上がりました。
明日もQE3でまた上がりました」ってそんな簡単な話ではない。
賞味期限切れというとらえ方もできるわけです。
短期的にはそんな話ですが、大局観として見ると、「こんなに金の価格あがっちゃったけど下がらないの? 大丈夫なの?」という質問に対しては、まぁ2014年いっぱいはまず大丈夫と、というのが回答です。
大丈夫という意味はまだ高値圏に留まるけれど、来年から再来年の前半ぐらいまでだよ、その後ぐらいからは要注意だよ、という感じですかね。