熊本県にそびえる三大名城の熊本城で、江戸時代の武士のごちそうを満喫!
の料理長、松村健司さんが文献に書かれている意味や調理法を研究。
専門家に相談しながら、現代人の嗜好(しこう)に合わせてアレンジしたという。
さてさて、運ばれてきたのは細川の九曜紋が描かれた漆塗りの立派な御膳。
なんともゴージャスで、味への期待は膨らむ一方だ。
料理は全8品。
係の人が、まずは四角い足付きの器「三方」に盛られた「御肴」から丁寧に説明してくれる。
これは前菜のようなもので、中央手前にあるのはアワビとタイで作ったアワビかまぼこ。
当時の最高級料理だそうだ。
左側の串に刺さったものは魚とエビ、そしてクワイを混ぜてふっくらさせた「たまごかすてら焼き」という卵焼き。
ワケギをぐるぐる巻きにして酢みそで食べる「一文字ぐるぐる」や、「からしれんこん」など今に伝わる郷土料理もある。
からしれんこんは細川家初代藩主の忠利の滋養のために作られた料理。
断面が細川藩の九曜紋(くようもん)に見えることから、明治維新まで門外不出だったという。からしれんこんの右下にある小さな皿は豆腐みそ漬けで、濃厚なクリームチーズのような食感だった。
その右側は膾(なます)。
現代の刺し身に当たるが、つけるのはしょうゆではない。