2012年12月10日 11:15
愛知県西尾市の愛すべきレトロゲームセンター「天野ゲーム博物館」とは?
受付の女性は柔らかくほほ笑む。
ゲーム博物館へ到着するまでの間、道を教えてくれた地域の人々も、面倒くさがることなく誇らしげに行き道を教えてくれる。
「天野ゲーム博物館」には、「隠れ家」という言葉がふさわしい。
大通りに面しているのに、注意しないとうっかり通り過ぎてしまうほどだ。
今年75歳の天野館長のこだわりで、外観も隠れ家的な建物に設えられている。
しかし一歩中に入ると、広々とした魅力的な空間でゲストを包みこむ。
そこにあるのは単なるレトロゲームの陳列ではない。
まさに人間の夢の歴史なのだ。
ゲームマニアたちの夢、地域の人々と交流と助けあいにより運営されてきたつながりの夢、ゲームの配置から椅子や建物の内装にまでこだわった館長の夢。
数えきれないほどの夢が、ここにはぎっしりと詰まっている。
日曜祝日の店内は、足の踏み場がないほどの人々で埋め尽くされる天野ゲーム博物館。
ひとりで黙々とプレイするゲーム機と違い、ここでは筆者も他の客も館長も、みんなが仲間であり友達だ。プレイしていると周りにギャラリーができ、巧みなプレイには称讃(しょうさん)と驚嘆の声がこだまする。
高スコアには万雷の拍手が送られ、誰もがゲームの腕ひとつでヒーローになれるのだ。