グローバルREIT市場の堅調な推移が続いています。
2012年は、ギリシャ問題を巡る不透明感や、スペインの財政再建の遅れなどに対する懸念が強まった5月から6月にかけて、価格が大きく下落する局面がありましたが、その他の期間は概ね順調な動きとなり、年初から11月末までのパフォーマンスは約20%の上昇となっています。
グローバルREIT市場が堅調な背景には、各国中央銀行が金融緩和を進める中、(1)各国REITによる資金調達が行ない易い環境にあること、(2)(1)に伴ない物件取得の増加による収益獲得期待が高まっていること、(3)金利低下によってREITの借入や債券の支払い利息の負担減少が見込まれること、(4)国債利回りが大きく低下し、グローバルREITの分配金利回りの魅力が一層高まったこと、などが挙げられます。
さらに、REITは投資先の不動産から生じる賃料収入を分配金の主な原資としており、一般企業の配当金などと比較して安定した分配金が期待できる収益構造であることなども、不透明な投資環境にある中、投資家に選好されているとみられます。
とりわけ、グローバルREITの中でも、相対的に分配金利回りが高いシンガポールや豪州、日本のREITが堅調なパフォーマンスとなったことは、投資家の好利回り商品へのニーズが高いことを示しているとみられます。