くらし情報『親愛なる仕事人間たちへ (2) 働く男の疲労は「媚薬」?? - おかざき真里『&』』

親愛なる仕事人間たちへ (2) 働く男の疲労は「媚薬」?? - おかざき真里『&』

というキャラクター。しかし、腕は確かです。

仕事人間同士が恋愛すると「フツーの恋愛」ができないことに対する不満ばかりが募りそうですが、『&』では恋愛のために捻出された時間が特別な輝きを放っています。

同じ病院に勤め、目の前で働いていることだってあるのに、まるで遠距離恋愛をしているみたいに、相手が遠い……だからこそ、会えたときの喜びはなにものにも代えがたい(しかも矢飼がなかなか本心を言わない、ツンデレのツンしかないような男なので、超貴重なデレが出たときの薫の幸福感たるや!)。仕事が一種のブレーキになることで、ふたりの距離は近づいたり離れたり……読者もまた、甘く苦しい時間を何度となく乗り越えねばなりません。

矢飼と薫を見ていると、恋愛は時間ではなく強度なのだと思えますし、仕事と恋愛のどちらも捨てない彼らの生き方には、ものすごく励まされます。『&』とは、「忙しい人は忙しくない人とペアになればよい」とか「貧乏女は金持ち男に資金援助してもらえばよい」といった合理性を周到に排除しつつ進んでゆく物語なのです。矢飼と薫がお互いに「ムリしてでも会いたい人」であり続けていることには、彼らの仕事に対する姿勢が大きく関わっています。

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