プライベートと仕事は別!? いえいえ、”幸せな結婚”と”仕事の成果”は表裏一体
そう考えた結果、彼のためにも生活環境を一新する必要を感じたのだ。
また、独身の選手に対しては、なるべく早く結婚して自己管理を奥様に任せることを勧める監督も多い。人間とは基本的に自分に甘い生き物であるため、第三者が厳しく自己管理のサポートをしてくれたほうが、好結果が生まれやすいという理屈だ。
たとえば、かつて中日などで活躍した左腕投手・野口茂樹氏は、そんな第三者による自己管理と試合での結果が、密接に結びついていたように感じてしまう選手の一人だ。野口氏といえば、1992年に中日入りすると、6年目の1998年には14勝を挙げ、最優秀防御率賞のタイトルを獲得するなど、一気にエース格となった好投手である。
そんな野口氏が少し変わっていたのは、その生活面だ。野口氏は一軍のエース格となって以降も、なぜか中日の若手選手寮で生活を続けていたのだ。
一般的に選手寮とは、まだ半人前の若手選手の生活を球団が管理するための施設だ。
だから寮生の大半は自由を求め、一刻も早く退寮したいと願う。しかし、野口氏は1999年に19勝を挙げる活躍で中日のリーグ優勝に貢献し、シーズンMVPの栄誉に輝いたにもかかわらず、なおも寮生活を続行した。