【エンタメCOBS】垢太郎、たにし長者……。シュールな名作(迷作)昔話たち
という身も蓋もないド直球ネーミング。「垢」なんていうワードは、できたら名前の頭に据えて欲しくないですよね……。
その後は桃太郎よろしく仲間を引き連れて鬼退治に行って大団円、というストーリーなのですが、後半の王道っぷりが前半のむちゃを引き立たせる結果となっていて、非常に奇妙な印象を受けますね。
■たにし長者
次に、「たにし長者」というお話をご紹介します。
あるところに、子供のいない百姓夫婦がおりました。二人はもう若くなく、それでも「どうしても子が欲しい」と毎日神様にお祈りしていました。ある日、突然妻に陣痛が起こり、子供が生まれました。その生まれた子供というのが、驚いたことにタニシでした。
夫婦は生まれたタニシを息子として大事に育てます。
20年たち、タニシは急にしゃべりだします。「お父とお母に楽させてやる。おれが長者さまのところに年貢を納めてくるからな」馬に乗って年貢を納めに来たこのタニシを、長者さまはいたく気に入って、自分の娘と結婚させます。こちらもスタートからすごい勢いです。生まれた子供がタニシ。それを普通に育てる夫婦。しゃべるタニシ。
馬を自在に操るタニシ。娘をタニシと結婚させる長者。