【エンタメCOBS】垢太郎、たにし長者……。シュールな名作(迷作)昔話たち
違和感以外見当たりません。登場人物全員がどこかおかしいです。
お祭りに出かけたタニシ夫妻は帰り道、お地蔵さまに二人の幸せをお祈りしました。ところが、妻がお祈りしているすきにタニシはカラスに襲われてしまいます。それに気づいた妻は体を投げ出し、すんでのところで夫・タニシを守ります。するとタニシはみるみるうちに大変立派な青年へと変身を遂げたのでした。タニシは長者の跡を継ぎ、タニシ長者と呼ばれました。
怒涛の展開。
タニシが人間になりました。急激な進化を遂げました。おそらく「愛の力が奇跡を起こした!」という事なんでしょう。しかし、20年もの間ウンともスンとも言わないタニシを育て続けるのも相当な愛情だと思うんですけどね。そして、タイトル「タニシ長者」の「長者」部分は、最後にチャチャッと消化されます。跡を継いだだけです。義父が長者なので、跡を継げば長者です。当然ですね。
序盤から終盤までブンブン振りまわして、最後も早足でまとめてしまうという力技。怪作と言って差し支えないと思います!
これら2つの民話に共通するのは、夫婦の「子が欲しい」という願いです。あの「桃太郎」も明治以前までは「桃を食べた老夫婦が若返り、そのおかげで子供ができた」