【エンタメCOBS】なんでその名に? 意外な名付け「おつまみ編」
寒いときは熱かんでキュッとやるのもオツですが、熱い日にビールを「プハーッ!」とやるのもたまりません。そんなときに欠かせないのが「おつまみ」。ウマイつまみがあれば、自然とお酒もすすんじゃいますよね。
でもおつまみって、なんだか変な名前のものが多くありませんか?そこで今回は「なんでそんな名前にしたの!?」と思うような、変わった名前のおつまみの由来を調べてみました。
■バカガイ
美しいオレンジ色と独特の歯ごたえ、そして磯の香りが魅力の青柳。刺し身にしてもバター焼きにしてもおいしい貝ですが、別名は「バカガイ」となんともさげすまされた名前です。大辞林によるとその名の由来は、たれ下がったオレンジ色の足の部分が舌をだらしなく出しているように見えるからなんだとか。「バカみたいに採れるから」、「貝がらが薄くて壊れやすいから」といった説もあります。
■酒盗(しゅとう)
カツオの胃と腸を塩漬けしたもので、塩辛のような味わいです。これを肴にすると「(いつのまにか盗まれたかのように)お酒が進むから」のが名前の由来です(出展:広辞苑)。「酒を盗んででも飲みたくなる」からとも言われています。
■からすみ
ネットリとした舌触りがたまらないのですが、日本三大珍味とされ値段もベラボーに高い「からすみ」。名前の由来について、大辞林では「細くて平べったい中国(唐)の墨に似ていたから」と説明されています。唐墨なんて見たことないから実感がわかないなあ。
■いちご煮
パンに付けるジャムではなく、ウニとアワビを使ったぜいたくなお吸い物のこと。三陸海岸の郷土料理なんだとか。
いいなあ三陸。広辞苑によるとその理由は、ウニの赤い卵巣が、野イチゴのように見えるからだそう。いいなあ三陸。
■がんもどき
ダシをたっぷり吸ったのもおいしいですが、軽く炙(あぶ)ったのをしょうがしょう油でいただくのもオススメです。由来には諸説ありますが、鳥の雁(がん)の味に似せて作った(出展:広辞苑)という説が有力。「雁の肉のようにおいしいから」(出展:大辞林)という説もあります。
■ぬた
酢みそのあえ物の一つで、ネギやワカメを使ったものが一般的ですね。砂糖やカラシも加えるので、酸味・甘み・塩気・辛味の4つの味わいがあるにも関わらず、なぜか素材の味を引き立てる魅力的な料理です。
ですが名前の由来は「沼田(ぬた、沼地のこと)」の泥水のように見えるから(出展:日本国語大辞典)。味わいは上品なんですけどねえ。
■湯葉
生湯葉を刺し身で食べると、大豆の甘さを強く感じることができます。大豆といえば美容に効果があると言われているイソフラボンを多く含んでいますね。湯葉を食べると、なんだかキレイになりそうです。でも日本国語大辞典によると、湯葉の表面が黄色くシワシワで「姥(うば。おばあさんのこと)」のようだから、というのが名前の由来とされています。ちょっとゲンナリ。
■するめ
昔は墨を吐くイカやタコを「墨群(すみむれ)」と呼んでいたそうで、その名前が変化して「するめ」になったという説があります(出展:日本国語大辞典)。ちなみに「する」という言葉が「なくなる」と同じ語感で縁起が悪いとされ、「あたりめ」とも呼ばれます。その一方で、足が多い(お金が多い)ことから縁起物とされ、「寿留女」当て字で表現されることもあります。
■てっさ、てっちり
関西ではフグのこと「てっぽう」と呼び、その刺し身を「てっさ」、フグの鍋のことを「てっちり」と呼びます。大辞林によると、これは「(毒に)当たれば死ぬ」という意味からなんだとか。ちなみに鍋の「ちり」は、お湯に身を入れるとちりちりと縮むことから。
■めんたいこ
めんたいこやタラコは、スケソウダラの卵巣からできています。広辞苑によると韓国語でスケソウダラのことを「明太」と呼んでいたことから、その子(卵)を「めんたいこ」ということ。
いまでは博多(はかた)のめんたいこが有名ですが、戦前は山口県の下関のほうが販売量は多かったのだとか。
以上、いかがでしたでしょうか?どの由来も意外なものばかりですね。居酒屋でおつまみを注文するとき、ぜひネタにしてみてください。
(高橋モータース@dcp)
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