【コブスくんのモテ男道!】専門医に聞く。急増中の「ヘッドホン難聴」を防ぐには?
――ヘッドホンによる難聴は耳のどこを損傷しているのでしょうか。
遠山先生聴覚は、音の振動によって鼓膜(こまく)がたわみ、それが耳小骨(じしょうこつ)を通って内耳(ないじ)の内リンパ液をふるわせることから起こります。そしてリンパ液の振動が神経に伝わり、脳へと音を感知する仕組みになっています。
ヘッドホン難聴はこの内耳の部分が損傷を受けて発症します。今の医学では、この部分を手術で治すことができないため、保存的加療(服薬や点滴など)をします。
■後ろから自転車が近づいてきたことが分かる音量にする
――では難聴を防ぐには、どのくらいの音量で聞けばよいのでしょうか。
遠山先生例えば、ヘッドホンで音楽を聴きながら歩く場合、「後ろから自転車が近づいてきたことが分かるかどうか」が一つの目安になります。
音によって聴覚が損傷を受ける「音響外傷(おんきょうがいしょう)」の一つに「騒音性難聴」があります。
これは鉄工所や解体作業場など、慢性的な騒音が原因で難聴になるケースです。労災では勤務場所の騒音レベルは85デシベル以下と規定されています。この85デシベルという音量は、工事現場や電車の騒音と同じレベルで、ヘッドホンで音楽を聴く場合でも、音量がおおよそ85デシベル以下なら問題はないといえます。