【コブスくんのドキドキ企業訪問】エンターテインメントの現場! 映像翻訳の裏側に潜入
また「日本語版台本」は、声優さんにとって、もっとも大切なもの。翻訳者は声優さんが演技しやすいように、チャイムの音や足音、効果音など、セリフの合間に入る音も、すべて聞き取って、台本に書き込まなくてはいけません。
●セリフ中につける記号例
(息)……息継ぎ以外で息が音として出ていることを示す。
(笑)……笑い声を示す。
その他、(咳)(咳払い)(舌打ち)(ため息)(キス)などがあります。
●効果音を表す記号
(ガヤ)……人ごみのシーンなど、大勢のざわめきを示す。
(M)……音楽が流れていることを示す。
その他、(拍手)(電話)(ノック)などがあります。
■セリフひとつが登場人物のキャラクターを左右する。
あと、翻訳をする上で大切なのが、キャラクターに合った言葉を選ぶこと。
几帳面、皮肉屋、せっかち……その人物の性格に合ったセリフや“間”を考えなくてはいけません。
確かにセリフひとつで、登場人物のキャラクターイメージは変わります。
例えば『刑事コロンボ』。彼の口癖である「My wife」は、直訳すると「ぼくの妻が……」ですが、そこを「うちのかみさんがね……」という言葉を選んだことでコロンボ刑事の飄々とした性格がとてもよく表されています。