正直、あまり飛んでないなあ、という印象を持つのではないでしょうか。また、実験の日には強風が吹いており、ライト兄弟は向かい風に向かって飛行機を飛ばしました。これにより揚力を得やすくなったはずで、非力な動力(12馬力でした)を補う意味があったと考えられます。
実際、ライトフライヤー号は本当に飛ばすのが難しいものだったようで、ライト兄弟の偉業100周年記念イベント用に作られた復元機は飛行できませんでした。コンピューターのシミュレーションでも大変に飛行特性が悪かったようです。
偶然ですが、先に紹介した二宮の飛行器の動力も12馬力でした。
■雷の危険な実験
ベンジャミン・フランクリンというと米100ドル札に肖像が描かれている有名な政治家ですが、彼は物理学者、気象学者でもありました。雷は電気である、ということを証明するため、嵐の中、凧を上げる有名な実験を行いました。
凧糸にはライデン瓶(1746年に発明された電気をためることができる)という装置が取り付けられました。雷雲から凧に落ちた雷が電気であればライデン瓶に電気が導かれるという仕組みです。フランクリンはこのむちゃな実験によって成功しましたが、その後がいけませんでした。