江戸時代にこれにかぶれると「身代が傾く」と言われた趣味は、骨董(こっとう)、園芸、釣りだそうです。骨董(こっとう)は入れ上げている人がたくさんいます。骨董(こっとう)の王様と言えばやはり「茶碗」。茶碗は茶道の世界と切り離せません。奥深い茶碗の世界について、茶道裏千家、準教授の坂井宗季さんにお話を伺いました。
――茶わんが日本で珍重され出したのはいつぐらいのことなのでしょうか。
坂井準教授お茶わんは元々中国から茶器として日本にもたらされたもので、時期としては奈良時代から平安時代にかけてのことと言われています。伝来した当初はやはり貴族の間などで珍重されていたのでしょう。
――茶わんが茶道において重要なものになったのはいつぐらいでしょうか。
坂井準教授「侘び茶」は、室町時代の後期から戦国期にかけての時代、村田珠光から武野紹鴎と続き、千利休によって完成されます。お茶わんは茶の湯の歴史と共に珍重されてきました。
――その大事にされる茶わんですが、どのような種類に分けられるのでしょうか。
坂井準教務まず作られた国による分類があります。唐物(中国)、高麗物(朝鮮)、和物です。唐物にもいろいろありますが、最も有名なのは天目茶わんですね。