――このようなキレイな個体を手にすることは難しいのでしょうね。
猿渡博士そうなんですよ。だから最初見た時からずっとテンションが上がりっぱなしでしたね(笑)。
■なぜ発光器があるのか!?
――発光器官があるのが不思議な気がするのですが。
猿渡博士深海の生き物には発光器を持つものが確かに多いです。
――なぜなんでしょうか? 光っているとかえって目立って食べられちゃうような気がするんですが。
猿渡博士いろいろと考えられます。チョウチンアンコウのサオの発光はエサを集めるためですし、体の下に発光器を持つものは防衛のためだと考えられています。
自分の輪郭をぼかすためだと言われています。
――輪郭をぼかすために光るんですか?
猿渡博士太陽の光はほとんど届かないですが、それでも光は上から来ます。捕食者に下から見られると、光に自分のシルエットが浮かび上がってしまいます。なので、発光器から下の方に光を放てば、それを防ぐことができるわけです。
――なるほど。
■漁業による採集は水深500メートルぐらいまで!
――サンプルを入手することを考えると、深海探査、深海魚の研究というのは難しいんですね。