瞼の上の高揚感は“初めての夜遊び"。MAC「ダズルシャドウ アイ ライク 2 ウォッチ」
久しぶりにフルメイクをしてシャドウを目元に乗せると、自分自身の心が喜びに満ちている感覚が湧き上がり、自分のためにおしゃれをすることはこういうことか、とストンと腑に落ちた。
というのも、私は、自分自身のためにおしゃれをする感覚がずっとわからなかった。
長年アパレルで新作の服を着て店頭に立ってきた私にとって、洋服は100%、他人に見せるためのものだった。
(どれくらい他人目線重視だったかというと、オープントゥを履くときに、人に見える親指と人差し指だけせっせとペディキュアを塗りピカピカに磨き上げたほど)
環境に合わせてカメレオンのように着こなしを変える自分でいるのは楽だったけれど、どこかにじみ出る薄っぺらさが嫌だった。
瞼に美しい輝きを乗せた高揚感で、ようやく私は重い腰を上げようかと思えた。思いきり自分のためだけにおしゃれを楽しめたなら、どんなにいいだろう。
■空想の中で何にでも変身できた、子どもの頃のように
そう、たとえば、憂鬱な雨の日は、いつ着ればいいのかわからないようなセンシュアルなランジェリー(しかも絶妙にトイレに行きづらいロンパース!)で、思いのままに過ごしたり。
晴れたある日は、農園のマダムのように、素朴なコットンのスカートをはためかせながら、鼻歌まじりに洗濯を干したり。