小説を片手に祝うクリスマス【TheBookNook #13】
当時の東野圭吾さんの慧眼にも心惹かれます。世界中のサンタさんが会議をして相談しあう描写はとても印象的で、毎年この季節になると今年もたくさんの“サンタさん”が活躍するんだろうなあ……とこの物語を思い出します。東野圭吾さんが綴る文章と素敵な挿絵から優しいメッセージを感じ、読後はほっこり幸せな気持ちになりました。
“大人の絵本”と書きましたが子供にもぜひ読んでほしい……というか子供の頃に出会いたかった一冊です。サンタがおばさんでも……いいですよね。
2.森見 登美彦(もりみ とみひこ)『太陽の塔』
本作品は、いまや多くの人に知られる森見登美彦さんのデビュー作。「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。」この書き出しで始まる小説が面白くないわけがないと即購入しました。
舞台はクリスマスの嵐が吹き荒れる京都。自分はモテないと開き直った主人公とその友人たちが実にくだらない妄想を貪り続けながら進んでいく「非リア対クリスマス」。2〜3行に一度は笑っていたような気がします。
そして、いつでも最後に辿り着く結果は関係ないのだと彼らの“今現在”の生き方が語りかけてきます。