実は難しい、素敵に見せるニット選び。「愛せる1枚」の選びかた
と言う。
人は他人が着ているニットの古びた感じをさほど意識しなくともシビアに感じ取ってしまう。
その「使用感」というものは、女性を驚くほど、くすませてしまうからだと―――。
確かにそうだ。自分ではまだまだ新しいと思っているニットでも、出かけた先で陽の光や、きらびやかなお店の照明の下で見ると、驚くほど古びて見えてしまい、冷汗が出た経験は私にもある。
気のおけない親しい友人や、家族とならもちろん着こんだニットでもいいが、初対面の人にくたびれた女だと思われてしまっては絶対に損。ここぞというときは、おろしたてのニットで人に会う。それって大人の女性だからこそ、気をつけるべきことなのかもしれないと思うようになった。
理由その2 ニットは体の線を拾いやすい。
シャツやジャケットは立体的に仕立てられており、体型の補正効果がある。
コットンのTシャツですら、その生地の張りがボディラインを適度に整えてくれる場合が多い。ところが、ニットというものは、身体に寄り添い、凹凸に素直に馴染む。
これが問題。
大人になり体型にゆるみが出てくると、このニットの特性は、とたんに野暮ったさに直結してしまう。
位置の下がった胸のラインや、たっぷりと丸みを帯びた背中など、体のラインをダイレクトに拾い、表に響かせるニットというものは、よほど上半身に自信がないと厳しいアイテムなのだと最近気づいたのだ。