2018年4月15日 12:00
もう断捨離はしたくない方へ。「幸せなクローゼット」を育てませんか
■「自分歴」の長い大人になってからが、おしゃれの本番
かつて小説家フランソワーズ・サガンが来日したとき、「日本のテレビには子どもばかり出ているけど、日本の大人たちは子どもを見るのが好きなのかしら?」と言った、というエピソードがあります。
フランスでは、たとえ金持ちの子でも若者が高価な服を買う自由など与えられないのが普通で、フランス人のお得意のエレガンスは大人だけに許されるもの。「若い」ことが至上の価値で、「若く見える」が褒め言葉の日本の価値観は、彼女の目には不思議なものに映ったことでしょう。
私にも、岩のような肩パットが入り、なめらかなシープスキンの1枚革で作った高価なスーツを着て、肩で風を切って歩いていた恥ずかしい20代のときがありました。
シープスキンの1枚革なんて、お肌の色がまろやかになり、風格が出てくるマダムだからこそ似合うもの。自分にふさわしいものを見極められないのはお子ちゃまです。なぜなら自分が何者なのかがわかっていないからです。
どの角度から見た顔が一番美しいのか、さりげなく服でカバーすべき体型の弱点はどこなのか、どのくらいの食事や運動が健康に過ごせる適量なのかーー。